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在宅で介護をする際、介護者を悩ませるものの一つに、臭い問題があります。気になりつつも我慢を重ねると、大きなストレスになりかねません。しかし臭いは、対策を講じることで軽減できます。介護者、要介護者、お互いが気持ちよく生活するためにも、臭いの原因、対策を知り、できることから実践していきましょう。
介護の臭いは、ひとつではありません。効果的な対策のためにも、まずは介護における臭いの原因を押さえておきましょう。
介護でおむつやポータブルトイレを使用している場合、深刻な悩みとなるのが、尿や便など排泄物の臭いです。
おむつの場合は、交換時に臭いが部屋に充満するだけでなく、使用済みのおむつが臭いを発することもあります。ポータブルトイレの場合は、排泄をしてすぐに処理をしないことが臭いの原因になります。尿が周囲に飛散し、家具や壁に付着してしまうこともあるでしょう。
また、トイレで排泄できる場合でも、おしりがきれいになっていなかったり、下着や服についてしまったりすると、部屋に臭いがこもりがちです。
人は、年齢を重ねると「加齢臭」と呼ばれる臭いを発するようになります。原因は、皮脂に含まれるノネナールという物質です。男女に関係なく40代以降になると増加し、ストレスにより強くなることがわかっています。そのほか、汗や皮脂に繁殖した雑菌も、臭いの原因です。
日々の入浴で清潔が保てれば臭いも抑えられますが、要介護者の場合、なかなか入浴できないこともあるでしょう。そのため、どうしても体臭が強くなる傾向にあります。
口臭の原因は、口腔内の細菌です。本来であれば、口腔内の細菌は唾液で流されますが、年齢とともに唾液の分泌量が減ります。薬の影響で減ることもあるでしょう。
唾液が減ると、口腔内に細菌が増えてしまい、いやな臭いを発します。介護では、この臭いに悩まされることも少なくありません。また口臭の背景には、きれいに歯が磨けていなかったり、食べ物カスが口腔内に残っていたりといった原因もあります。
なお、離れた場所にいても口臭を感じるほどであれば、虫歯や歯周病を患っているかもしれません。
食事をこぼして汚れた服、汗や排泄物が付着した衣類も、臭いの原因です。特に、放置してしまった場合は、洗濯をしても臭いが取りきれません。
要介護者の寝ている時間が長い場合は、汗は皮脂がシーツや枕カバーなどにも付着します。食事やおむつ交換をベッドでする場合は、それらが臭うこともあるでしょう。
では、これらの臭いに、どう対策したらよいのでしょうか。どの臭いにも共通する基本は、次のとおりです。
臭いは、空気とともに漂います。まずは、定期的に換気をして、部屋の空気を循環させましょう。窓やドアを開け放ち、外気を取り入れることもポイントです。そうすれば、カーテンやカーペットなどに臭いが付着することも防止できるでしょう。
雨の日や冬など窓を開けることが難しい場合は、空気清浄機を利用することも方法です。台所の換気扇を回すことも部屋の換気につながります。
こまめな洗濯と掃除も、臭いの軽減には効果があります。
衣類や下着はもちろん、パジャマやシーツなどの寝具も、臭いが染みつく前に洗いましょう。
排泄物で部屋が汚れてしまっても、すぐに掃除をすれば臭いは取り除けます。
臭いが染みついてしまうと、換気、掃除や洗濯だけでは除去できません。そのようなときに役立つのが、介護用消臭剤や消臭スプレーです。
さまざまな消臭効果を謳った製品が出回っていますが、効果を得るためには、排泄臭や体臭など、介護に特化したものを選んでください。
閉めきった部屋では、臭いを除去する脱臭機の設置も効果があります。
空気清浄機にも脱臭機能付きのものがあるので、臭う程度によっては役立つでしょう。
特に気になる臭いには、次のような対策が有効です。
要介護者がおむつを使用している場合は、こまめに交換することがポイントです。使用済みのおむつは、ビニール袋に入れて、しっかりと口を結びましょう。
ただ、それでも臭いを完全に防げないことがあります。その場合は、おむつ用消臭袋を利用することも方法です。
なお、使用済みのおむつを入れるバケツやゴミ箱にも消臭剤を使うと、臭いの抑制につながります。
ポータブルトイレの場合は、使用後、できるだけ早く処理することを心がけましょう。それでもポータブルトイレは臭いが付きやすいという難点があります。消臭剤も利用して、臭い軽減を図ることもポイントです。
口臭の軽減には、定期的な口臭ケアが欠かせません。
食後の歯磨きはもちろん、細菌が繁殖しやすい舌の汚れも取り除いてみてください。専用のグッズも市販されています。歯磨きが難しい場合は、口をすすぐだけでもよいでしょう。
なお、何をしても口臭が軽減しない、かえってひどくなっているというときは、歯周病など口腔内の病気が原因かもしれません。歯科医師に診察を仰ぎ、アドバイスをもらうことも方法です。
体臭を軽減するためにも、こまめに体を拭く、お風呂に入れることを心がけましょう。
できれば毎日の入浴が理想です。ただ、要介護者の状態によっては、難しいこともあります。その場合は、汚れやすいところ、臭いやすい箇所を中心に、清拭するだけでもかまいません。
介護では、臭い対策が不可欠です。要介護者はもちろん、介護者とその家族も気持ちよく過ごせるように、原因に合った方法で対策をしましょう。介護用の消臭剤や消臭スプレー、おむつ用消臭袋も強い味方です。これらの製品は「介護のしたく。」でも取りそろえています。ぜひ、臭い対策にお役立てください。
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