ようこそ、ゲストさま
認知症患者の在宅介護は、どうしても介護者の負担が重くなりがちです。
イライラが募ったり不安に感じたりすることもあるでしょう。
気をつけたいのは、それが原因で介護者が健康を損ね、ダウンしてしまうことです。
そうならないためにも、要介護者が認知症であるときの在宅介護の注意点、心がけたいことについて知っておきましょう。
まず、認知症の在宅介護で気をつけたいことについて、解説します。
認知症になると、何度も同じ話を繰り返したり、伝えたことをすぐに忘れてしまったりします。
身内の顔や名前を忘れてしまうこともあるでしょう。
しかし、それは要介護者の一面でしかありません。
残っている記憶もあれば、感情もあります。
何よりも、自分自身の変化にとまどっていることも多いのです。
その点を胸に置き、接し方には気をつけましょう。
例えば失禁をしたときに、頭ごなしに叱られることは、本人にとってもつらい行為です。
自尊心を傷つけないことは、常に忘れないようにしたい大事なポイントといえます。
認知症になると、自分の体の不調をうまく伝えられなくなります。
不機嫌な態度の裏に、病気やけがが潜んでいるかもしれません。
気づいたときには、症状が進行していたということもあるでしょう。
そのようなことのないように健康に気を配ることも、認知症の在宅介護では大切です。
なお、健康に関しては、薬の飲み忘れ、飲みすぎがないかにも注意してください。
服薬管理を通して体調変化に気づくこともあります。
コミュニケーションは、信頼関係を築く基本です。
コミュニケーションは、言葉のやり取りだけとは限りません
。話を聞きながらうなずくこと、目を見ること、スキンシップ、笑顔で接することも、立派なコミュニケーションです。
本人の気持ちが安定し、信頼感も芽生えます。
話が通じないこともあるかもしれませんが、積極的にコミュニケーションをとっていきましょう。
一人で認知症の在宅介護を背負おうとすると、心身ともに疲弊してしまいます。
家族や専門機関に相談して、協力を仰ぐことが大切です。
認知症の在宅介護を始めると、それまでとは生活が大きく変わり、どうしても介護者の負担が増します。
その負担を軽減するための方法も、知っておきましょう。
認知症となった要介護者の言動には、理解できないことが増えてきます。
しかし、本人にとっては意味や理由のあることも多いのです。
なぜ、人を困らせるような行動をするのか、本当のところはわからないかもしれません。
しかし、その行動が決して困らせようとしているのではなく、何かしらの事情があるのだろうと思えれば、怒らずにすむかもしれません。
双方にとってうまい対処法が、見つかることもあるでしょう。
認知症の理解を深めることは、お互いのためにも大切なことといえます。
負担軽減のために、生活環境も整備するとよいでしょう。
具体的には、転んだりつまずいたりしないように段差をなくす、引っかかりやすい電源コードは見えないところにまとめる、触れると危険な刃物などは手の届かないところに収納するといったことです。
そのほか、トイレや浴室などの共有スペースも見直してみましょう。
要介護者にとって暮らしやすい環境ができれば、介護者の負担は軽減できます。
もうひとつ、規則正しい生活を送ることも、生活環境整備の一環と考えるとよいでしょう。
起床と就寝、食事、散歩などの時間を一定にすると、介護者が行動しやすくなるだけでなく、要介護者の心身の安定も期待できます。
介護保険では、さまざまな外部のサービスが利用できます。
サービス利用は、介護者の負担を軽減するうえでは必要不可欠ともいってよいでしょう。
先ほどの注意点で挙げた「一人ですべてを負担しない」にも通じることです。
サービスには、訪問介護、デイサービスのほか、泊まりがけで面倒を見てもらえるショートステイなどがあります。
自身の介護負担を軽減し、リフレッシュする時間を持つためにも、積極的に活用していきましょう。
困りごとや悩みごとなどは一人で抱え込まず、医師やケアマネジャーなど、専門家に相談することも、介護の負担を軽減するうえでは大切なことです。
話を聞いてもらうだけでも、気持ちは軽くなります。
知識があり、多くの事例に接している専門家なら、適切なアドバイスももらえるでしょう。
ケアマネジャーは、ケアプランの相談にも応じてくれます。
最初に決めたプランを見直すことは、決して悪いことではありません。
認知症の進み具合も見ながらプランを再検討し、負担のかからない介護を目指しましょう。
認知症の在宅介護の注意点や心がけについて、お伝えしました。
介護者の負担が軽減するためにも、ぜひ参考にしてください。
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