寝たきり高齢者の在宅介護|注意点や負担を軽減するコツなど

寝たきり高齢者の在宅介護|注意点や負担を軽減するコツなど

寝たきり高齢者を在宅介護するという方もいらっしゃることでしょう。
素晴らしいことですが、介護者にかなりの負担がかかってしまうことも事実です。
だからこそ、在宅介護の注意点、負担軽減のコツを知っておきましょう。
具体的にどうしたらよいのか解説しますので、どうぞ参考にしてください。

寝たきりとは

まず、寝たきりとはどのような状態を指すのかを確認しておきましょう。

じつは「寝たきり」に明確な定義があるわけではありません。
ただ、一般的には次のようなケースに該当する場合「寝たきり」といいます。

ひとつは、自力での生活が難しく、基本的にベッドから離れずに生活し、食事、着替えのほか、入浴や排泄に介助を必要とする状態です。

もうひとつ、病気やけがにより、6カ月以上ベッドで寝ているというケースも、寝たきりといえます。

ちなみに、寝たきりの場合、要介護度はいちばん重い5、もしくはそのひとつ手前の4と認定されるケースがほとんどです。
要介護度が上がるほど、介護者の負担は高くなるので、負担軽減の対策は必須といえるでしょう。

寝たきり高齢者の在宅介護における負担とは

寝たきりとなった高齢者の在宅介護には、どのような負担があるのでしょうか。
介護する側だけでなく、介護される側の負担も含めて、見ていきましょう。

寝たきり高齢者の負担

たとえ寝たきりになっても、気持ちはしっかりしている高齢者もいます。
また、認知症になってしまった場合も、残っている記憶や感情はあります。
そのため、「家族に面倒をかけて申し訳ない」と、心に負担を感じることも少なくありません。
特に排泄で介護を受けることは、自尊心との闘いです。

自由に動くことができないと、ストレスや精神的な落ち込みを抱えることもあるでしょう。

介護者の負担

寝たきりになると、生活のすべてに介護が必要となります。
具体的には食事、体位変換、体の清潔維持、そして排泄です。
食事を除いては、体力を使う重労働といってもよいでしょう。

在宅介護における寝たきり高齢者に必要なケアと注意点

それでは、寝たきり高齢者を在宅介護する際に、どのような点に気をつければよいのか、必要なケアごとに確認していきます。

食事介助

寝たきりでも、食事をする際は、上半身を起こした状態にします。
起き上がらせることが難しい場合は、リクライニング機能のついた介護用ベッドが便利です。
介護用ベッドは、介護保険でのレンタルもできます。

食事は、自分で食べられるのであれば、ぜひそうさせてあげましょう。
ただし、のどに詰まらせたり誤嚥を起こしたりすることのないよう、そばについていてください。

食事に介助が必要な場合は、目線が同じ高さになるように、隣に座ります。
高齢者のペースに合わせ、一口ずつ、しっかり飲み込んだことを確認しながら食事を進めることがポイントです。

飲み込むことが難しそうだったり、むせることが多かったりする場合は、食事の調理形態が合っていないかもしれません。
見直しや工夫をしてみてください。

体位変換

寝たきりになると、自分で体勢を変えることができません。
体勢を変えずに寝ていると、床ずれを発症することがあります。
軽症のうちに手当をすれば治りますが、悪化すると感染症を引き起こす恐れもあるため、注意が必要です。
定期的に体位変換をしてあげましょう。

ポイントは、無理に体の向きを変えようとせず、枕やクッションなどを利用して、本人の様子を見ながら動かすことです。
介護保険でレンタルできる体位変換器というグッズもあります。

洗髪や清拭

寝たきりになると、思うように入浴もできなくなります。
その代わりに、ベッドで洗髪や清拭をして、清潔を保ちましょう。

洗髪は、道具をそろえればお湯でのシャンプーも可能ですが、介護者にとっては負担です。
洗い流す必要のないドライシャンプーを使う、蒸しタオルを当ててマッサージをするなど、工夫して取り組みましょう。

清拭では、タオルを温かいお湯に浸して絞り、体を優しく拭いていきます。
ごしごしこすると皮膚が傷ついてしまうので、注意しましょう。

順番は、上半身から始め、下半身、最後に陰部を拭きます。
このとき、皮膚のチェックもすると、床ずれなどの早期発見が可能です。

なお、介護保険のサービスのひとつに、訪問入浴があります。
定期的に利用してみてはいかがでしょうか。

排泄の介助

排泄の介助で気をつけたいのは、「寝たきりだから、おむつ」と決めつけないことです。
トイレで排泄できるのにおむつを使おうとすると、高齢者の自尊心を傷つけてしまいます。

とはいえ、排泄のたびにトイレまで連れて行くことも、現実的には難しいでしょう。
その場合は、ポータブルトイレをベッドの脇に設置することも方法の一つです。

ベッドから移動することが難しい場合には、おむつでの排泄介助がベストです。
蒸れると皮膚が弱るだけでなく感染症のリスクが高くなります。
皮膚を清潔に保てるように、
定期的に交換しましょう。

寝たきり高齢者を在宅介護する負担を軽減するコツ

在宅介護は、毎日のことです。
ダウンしてしまわないためにも、介護者の負担軽減のコツを押さえておきましょう。

外部のサービスを利用する

要介護認定を受ければ、介護保険でさまざまなサービスを受けられます。
先ほどご紹介した訪問入浴のほか、訪問介護、デイサービスなどの利用も可能です。

時には外部のサービスを利用し、自分だけの時間を持つことは、介護を無理なく続けるためには、必要不可欠ともいえます。

助成制度を申請する

自治体によっては、寝たきり高齢者の在宅介護を支援するために、助成制度を設けていることがあります。

まずは、市区町村役場の福祉課などに尋ねてみてください。
利用できる制度があれば積極的に利用することも、介護の負担軽減の上では大切です。

施設入所を検討する

介護が長く続く場合は、介護施設への入所も視野に入れてみましょう。
施設への入所は、決して引け目を感じることではありません。
辛さや苦しさを我慢しての介護は、心身の健康にもよくないことです。

寝たきりの場合、入居できる施設には、特別養護老人ホーム、介護つき有料老人ホーム、グループホームなどがあります。

まとめ

寝たきり高齢者を在宅介護する際の注意点、負担軽減のコツについてお伝えしました。
介護される側の気持ちも尊重しながら、無理のない形で介護にあたることがポイントです。
例えば介護用品の購入には、「介護のしたく。」を利用してみませんか?
おむつをはじめとした介護グッズを幅広く取りそろえています。
ぜひ、介護の負担軽減にお役立てください。 

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