介護保険でおむつ代は支給される?

介護保険でおむつ代は支給される?

要介護者のトイレに困難が生じると、おむつを使う必要に迫られます。
しかし、おむつは消耗品です。
寝たきりなど、常時おむつを使用するという状況になると、おむつ代が家計を圧迫することもあるでしょう。
介護保険でおむつ代が支給されるのであれば助かりますが、実際はどうなのでしょうか。
おむつ代の負担を軽減する方法について、解説します。

介護のおむつ代は1カ月でどのくらいかかるの

まず、介護でおむつを使用した場合、どのくらいの費用がかかるのかを確認しておきましょう。
おむつにもさまざまなタイプがありますが、多く出回っているのは、おむつ1枚につき排尿2回分をカバーできるというものです(高齢者の1回の排尿量は約150mlといわれています)。
その場合、1日に4~5回程度の交換が必要になるといわれています。
おむつ1枚当たりの費用は、50~100円程度。
1日当たりにして200~400円程度、1カ月に換算すると、6,000~12,000円程度かかるという計算です。

介護保険でおむつ代は支給される?

介護の負担を軽減する制度に、介護保険があります。
介護ベッド、車いすなど介護保険でレンタルできたり、介護の負担を軽減するサービスが受けられたりしますが、おむつはどうなのでしょうか。
介護保険でおむつが支給されれば、とても助かります。
しかし、残念ながらおむつ代は、公的介護保険の対象外です。
ただ、おむつ代の負担を軽減する対策として市区町村が実施している「紙おむつ給付およびおむつ代助成制度」があります。
この制度は、居住する自治体による高齢者福祉サービスの一環です。
そのため、自治体に住民登録して居住しているという条件をクリアしたうえで、要介護認定を受けている、医師による「紙おむつ使用証明書」を提出するなど、自治体ごとに助成対象の条件が定められています。
例えば、東京都大田区の条件は、区内に住民票登録し、居住している住民のうち、次のいずれかに該当する場合です。


1.要介護3~5の認定を受けている
2.要介護1もしくは2の認定を受け、傷病により医師が紙おむつの必要性を認めている
3.65歳以上で病院に入院している方のうち、1もしくは2に相当する状態にあり、紙おむつを必要とする

なお、具体的なサービス内容も自治体によって異なります。

紙おむつ給付およびおむつ代助成制度とは

「紙おむつ給付およびおむつ代助成制度」の概要について、もう少し具体的に見てみましょう。
説明したとおり、この制度は自治体による高齢者福祉サービスの一環です。
そのため、居住する地域によってサービス内容は変わり、主に実施されているのは「紙おむつの給付(現物支給)、もしくは「おむつ代助成」のいずれかになります。

紙おむつ給付(現物支給)

紙おむつの給付では、紙おむつそのものを受け取ることができます。
主流となっているのは、自治体が用意したカタログの中から紙おむつを選び注文するという方法です。
中には、おむつ購入に使えるチケットを配布して対応している自治体もあります。
給付内容は自治体によって異なりますが、各種大人用紙おむつのほか、おしりふき、消臭剤、防水シーツなどもカタログに掲載され、組み合わせ自由という自治体も多いようです。
ただし、注文できる点数には上限があります。
利用にあたっては、その点も含めてお住まいの自治体に確認をとってみましょう。

おむつ代

おむつを購入したときのレシートを添えて申請すれば、おむつ代の助成が受けられるという制度です。
ただし、助成には上限があり、その金額を超えた分は、自己負担となります。
具体的な申請方法や受給方法は自治体によって異なるため、まずはWebサイトや窓口で確認してみてください。

介護で使用する紙おむつの医療費控除

じつは介護で購入したおむつ代は、医療費控除の対象となります。
医療費控除は、その世帯の治療代や薬代も含めた医療費が、年間で10万円を超えた場合、領収書を添付して確定申告をすれば、税金の一部が還付されるという制度です。
おむつ代に関しては、冒頭で計算したように、1カ月のおむつ代が6,000円だとしても1年で72,000円になります。
月々10,000円かかったとすれば、それだけで年間10万円を超す計算です。
十分に、医療費控除の対象になります。

6カ月以上にわたり寝たきりである、医師が「おむつ使用証明書」を発行しているなど、いくつかの条件をクリアすれば申請できるので、事前に確認しておきましょう。
なお、申告には、おむつを購入したときの領収書を添えなければなりません。
おむつ購入の際は、あて名、品名がしっかり記載された領収書を受け取るようにしましょう。

まとめ

介護保険でおむつ代の支給等はされませんが、自治体による「紙おむつ給付およびおむつ代助成制度」を利用すれば、経済的な負担が軽減できます。
医療費控除の申告も可能です。
経済的負担を軽くする手段として、覚えておくとよいでしょう。
また「介護のしたく。」では、紙おむつをはじめとした介護用品をそろえるお手伝いをしています。
紙おむつのような消耗品は、定期便の利用も可能です。
ぜひ、日々の介護にお役立てください。

おすすめスタートパック

一覧はこちら