要介護度とは? 8段階の認定基準について解説

要介護度とは? 8段階の認定基準について解説

親や配偶者などの家族の介護を考えるようになったら、介護関係で使われる言葉についても理解を深めていく必要が出てきます。
そのひとつに「要介護度」という言葉があります。
ぼんやりとはわかってはいても、具体的なこととなると「よく、わからない」という方が多いのではないでしょうか。
要介護度には8つの段階があり、それぞれに認定基準が定められています。
いざというときに慌てることのないよう、要介護度についての理解を深めておきましょう。

要介護度の基準とは?

要介護度は、介護される方にとって、どの程度の介護サービスが必要であるかをランク分けしたもので、要介護認定を経て判定されます。
判定の方法は、まずコンピューターで一次判定をし、その結果を受け、保健医療福祉の学識経験者5名程度が二次判定をするという流れです。
判定結果は、サービスを必要とせず生活が営める非該当(自立)、要支援1~2、要介護1~5の8段階で提示されます。
このうち、介護保険サービスが利用できるのは、要支援1~2もしくは要介護1~5の該当者で、非該当と判定された場合は利用できません。

要介護と要支援の違い

要介護認定が非該当ではなかった場合、要介護3、要支援1などの判定が出ますが、判定は大きく「要介護」と「要支援」に分かれています。
まず、この違いを確認しておきましょう。

要介護と要支援で、状態の軽いのが要支援です。
日常生活を送るにあたり、多少の支援を必要とすると判定された場合は要支援となり、要支援1もしくは2のいずれかに認定されます。

要介護は、要支援よりも重い状態です。
生活において、日常的に第三者の支援や介護が必要となり、1~5までの段階に分かれています。

要介護度の8段階の認定基準

では、もう少し詳しく要介護度の認定基準について見ていきましょう。
認定は、判定を受けた方の心身の状態で区分されますが、先ほども説明したとおり、要介護度は介護サービスの必要度を判断する指標です。
そのため、本人の病状と要介護度の数値にずれを感じるケースがあります。
あくまでも、目安であることを念頭に置いておきましょう。

自立

第三者のサポートや見守りを必要とせず、自分で生活できる状態です。

要支援1

日常生活における支援や見守りが必要と判定されたものの、自立に近い状態が、要支援1です。
基本的に、食事や入浴、排せつなどの動作に支障はありません。
買い物や掃除など生活の部分的な支援が受けられると、生活の質が保てると判断される状態です。

要支援2

要支援1よりも支援が必要になるのが、要支援2です。
日常生活に大きな支障はないものの、立ち上がったり歩いたりするときにふらつく、軽い物忘れがあるなどの症状が出てくることもあるでしょう。
程度によっては、要介護に区分される可能性もある状態です。

要介護1

食事や排せつなどはひとりでこなせるものの、立ち上がりや歩行に困難が見られ、介護が必要になります。
周囲の人が、思考力や判断力など認知機能の低下に気づくこともあるかもしれません。
買い物や服薬管理をサポートしなければならないケースも出てきます。

要介護2

要介護1よりも、さらに介護を必要とする状態です。
それまでは自分でこなせた食事や排せつにも、介助が必要になるケースが出てきます。
また、認知機能の低下が進むため、料理や金銭管理にも支援が必要です。

要介護3

中等度の介護が必要と判定されるのが要介護3で、食事や排せつなど、それまでは自力でこなせた多くの動作に介護が必要となります。
認知機能の低下が顕著になるケースもあり、本人だけで生活を営むことは難しくなるかもしれません。

要介護4

要介護4は、食事や排せつも含め、生活全般に介護を必要とし、歩くこともままならない状態です。
認知機能も著しく低下し、ひとりでの生活はほぼできないといって差し支えないでしょう。

要介護5

ほぼ寝たきりとなり、生活全般に介護を必要とする状態が要介護5です。
意思の疎通をはかることが困難なケースも多くみられます。

要介護認定の申請手続きと要介護度決定の流れ

では、要介護認定をしてほしい場合、どのようにすればよいのでしょうか。
申請から決定までの流れを説明します。

要介護認定の申請場所は、居住する市区町村の役所か、地域包括支援センターの窓口です。
本人が出向けない場合は、家族、地域包括支援センターの職員、入院中の場合は病院のソーシャルワーカーなど代理人による申請もできます。
申請の際は、申請書類、介護保険被保険者証(65歳未満の場合は健康保険の被保険者証)、マイナンバーカード(もしくはマイナンバーが確認できるもの)などを持参することになります。

申請がすむと、自治体による訪問調査が実施されます。
目的は、認定を受けたい方の身体機能や認知機能、生活環境などを確認することです。
なお、判定にはこの調査が大きく影響するので、できれば本人任せにせず、家族も同席し、客観的な状況を伝えると、的確な判定につながります。
また、自治体から主治医に対して、意見書の作成依頼がいくこともあるので、あらかじめ連絡を入れ、必要に応じて相談しておくとスムーズです。

訪問調査がすむと、主治医の意見書もまじえた一次判定が実施されます。
その結果を受け、介護認定審査会が二次判定を行い、最終的な介護度が決まるという流れです。
判定が出るまでの期間は、一般的には30日程度となっています。
なお、要介護認定の有効期間は、新規で申請した場合は原則6カ月です。
その後は更新認定を受けることで、12カ月となります。
要介護認定の結果通知後に本人の状態が大きく変化したり、結果に納得できなかったりという場合は、区分変更申請が可能です。
自治体の役所の窓口や地域包括支援センターに相談してみましょう。

まとめ

要介護度の基準についてお伝えしました。
まだ介護認定は受けていないものの、気になることがある場合は、念のため申請してみてはいかがでしょうか。
要介護の認定が出れば、介護保険サービスの利用が可能です。
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